中学生にわかる遠近法 -筒で考える遠近法- (全3巻)

 

第3巻 概 要

 

 第3巻は第1・2巻の説明を、名画や写真等に応用しています。第1・2巻を先に読まれることで、理解しやすくなります。

 遠近法を原理から理解することで、その原理を応用することができ、透視図(パース)の画法にに頼らず、自分で考えて見え方をつくれるようになるでしょう。

 この本は遠近法の解説書としてだけでなく、見え方の科学の読み物、中学数学(図形)の応用事例としての読み物、また美術の遠近法の応用事例の読み物としても楽しめます。自由研究の課題にも利用できます。多くの章で、今まで誰も書いていなかった内容を数多く載せています。

 

■ 26日目 最後の晩餐-1

レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」に描かれた部屋の寸法と、見ている距離との間に隠されていると思われる黄金比について解き明かします(第2巻 23章の応用)。絵に描かれている部屋や机の大きさの寸法の出し方を説明し、具体的な大きさを導き出します。絵のある実際の修道院の部屋と絵に描かれている部屋との関係も図解します。

 

■ 27日目 最後の晩餐-2

「最後の晩餐」の絵の構図を、ダ・ヴィンチがどのように決めたかを推測して、解き明かします。高い画家の眼の位置で描かれている「最後の晩餐」の絵が、絵を見る人の低い眼の位置で描かれたらどう変わるのか考えながら、その絵をつくります。

 

■ 28日目 地平線を高く上って見る

 筒の向きを平らな地面に平行にして、筒の高さを上げていくと、地平線がどう見えるかについて考えます。後の章でそれを写真で確かめます。 

■ 29日目 水平線とものさし

海岸で手前にものさしを立て、その向こうの海を、カメラでの向きを変えて撮ります。写真に写っている水平線とものさしの目盛の位置関係が予想と違っています。それについて考えます。

■ 30日目 地平線-テニスコート

テニスコートの写真のラインをのばした交点で地平線(水平線)を考えます。

■ 31日目 地平線-トラックライン

手前に立てた格子のメッシュ越しに、陸上競技場のトラックラインの写真を撮ります。その写真にあるメッシュとラインをのばした交点の位置関係が予想と違っている理由を見つけ出します。

■ 32日目 地平線-写真で見る

気球の競技大会、異なる高さで撮った沖の岩場、超高層ビルや山頂や飛行機からの景色、飛行機雲などの写真で地平線(水平線)について考えます。

■ 33日目 風景画を描く

どこまでも広がっている平らな地面に人がいたら、どう見えるか、その絵をつくりながら考えます。眼の高さを変えた絵もつくります。海を背景に人と水平線の写った写真で考えてきたことを確かめます。

■ 34・35日目 立方体の見え方を描く

立方体の見え方を、第1巻 6日目で考案した方法でつくります。

■ 36日目 立方体の見え方を2本の平行線で描く

2本の平行線を用い、線を引くことで比例配分し、見え方をつくります。

■ 37日目 ブルネレスキの描いた洗礼堂

遠近法を発見したブルネレスキは八角形の洗礼堂を写生し、その絵を鏡にうつして見せる実験をしました。その八角形の洗礼堂の眼の高さを変えた見え方を描きます。立面図と平面図を利用した方法でも見え方を描きます。それを立方体の見え方の描き方にも応用します。

■ この本だけで使われている法則・特殊用語

巻末にまとめて説明をつけて解説。

 

今まで誰も書いていなかった内容を多く載せています。特にレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」については2章にわたり解説し、この本で初めて書かれた内容も多く、37日目(ブルネレスキの描いた八角形の洗礼堂の見え方を詳しく説明)を含めて美術愛好家の方も十分楽しめます。