中学生にわかる遠近法 -筒で考える遠近法- (全3巻)

 

第2巻 概 要

 

 第2巻は第1巻(基礎編)の基本的な説明を、名画や写真等に応用した説明が主な内容です。第1巻を先に読まれることで、理解しやすくなります。

 遠近法を原理から理解することで、その原理を応用することができ、透視図(パース)の画法に頼らず、自分で考えて見え方をつくれるようになるでしょう。

 この本は遠近法の解説書としてだけでなく、見え方の科学としての読み物、中学数学(図形)の応用事例としての読み物、また美術の遠近法の応用事例の読み物としても楽しめます。自由研究の課題にも利用できます。多くの章で、今まで誰も書いていなかった内容を数多く載せています。

 

■ 15日目 直線を写真で見る-フィールド(2)

写真にあるフィールドの平行線(ライン)から、平面図上で写真の撮影位置を出します。14日目(第1巻)から続く内容。

ライン(白線)に平行な向きに撮った写真と、平行でない向きで撮った写真と平面図(航空写真)の関係、ライン(白線)から新たに斜め平行線をつくり、それらと平面図(航空写真)の関係について考えます。 

■ 16日目 直線を写真で見る- サンマルコ広場

ヴェネツィアのサンマルコ広場の名画(カナレット、グアルディ)や写真で、平行線の向かう点について考えます。13・14日目(第1巻)、15に日目の内容を応用して、広場の写真からその撮影位置を出します。 

 

■ 17日目 直線を写真で見る-スパダ宮

遠近法を巧みに応用して設計されたスパダ宮の柱廊(ボッロミーニ設計)のしかけを解き明かします。スパダ宮の柱廊と同じように見える普通に設計された柱廊(サンマルコ寺院)の写真を並べて、最後に2つの平面図を比較し、ボッロミーニの巧みな設計を確かめます。

■ 18、19日目 なぜ線路は中心に向かうのか-1・2

筒の向きに平行な直線はどんなに離れていても、筒の中心からのぞくと筒先端の<正方形枠>の中心に向かうように見えること(第1巻 10日目)の理由の説明。

■ 20、21日目 等間隔の平行線の見え方

等間隔の平行線を直角の向きで見たときの見え方を考えながらつくります(第1巻 4日目の応用)。ブルネレスキによってルネッサンスに遠近法が発見されるまで、画家たちがよくわからなかった見え方です。

■ 22日目 筒の長さを変えて見る

等間隔の平行線を直角の向きで見るとき、筒の長さを変えるとどうなるかを考えます。

■ 23日目 タイルの対角線

タイルの見え方から、 ①縦辺と対角線の向かう点の間隔、②横辺の見える長さ、③眼からその横辺までの距離、その3つの不思議な関係を導き出します。3巻を通じての最大のトピックであり、この本で初めて公開している内容です。この不思議な関係を使い、第3巻でレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」に隠されていると思われる、黄金比と奥の壁までの眼からの距離との関係を解きあかします。

■ 24日目 天井写真を使って-1

23日目のタイルの見え方でやったことを格子天井の写真で確かめます。野球場やアメリカンフットボールのフィールドの写真にも応用し、写真からその撮影位置を出します。

■ 25日目 天井写真を使って-2

格子天井や建物の等間隔の柱の写真で、等間隔の平行線(20、21日目)やタイルの見え方(23日目)でやったことを確かめます。

■ この本だけで使われている法則・特殊用語

巻末にまとめて説明をつけて解説。

 

第1巻の基礎的説明にものたりないと思われた方も、それを応用した、第2巻の写真や名画の事例を多く盛り込んだ内容に興味を持たれると思います。